本文へジャンプ
千葉交響楽団 演奏会のご案内

第112回 定期演奏会に寄せて ソリスト箱山芳樹より

この度、我が千葉交響楽団の定期演奏会にて、吉松隆作曲トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」を演奏させていただきます箱山芳樹でございます。

以前所属しておりました日本フィルハーモニー交響楽団にて、定期演奏会で協奏曲をやってみないかというお話をいただいたときに、日本フィルには「日本フィルシリーズ」という、現代日本の作曲家に委嘱し初演するという素晴らしい企画がありましたので、「もし可能であればこの際新曲を作っていただくのが良いのでは」と事務局に話したところご賛成をいただき、「朱鷺によせる哀歌」(1980年)の柔らかで新鮮かつ華麗なサウンド感や、ファゴット協奏曲「一角獣回路」(1988年)でカッコよくしかも本道を行く作品を作曲されていた吉松隆さんを推薦させていただきました。吉松さんからは快諾をいただき、あまりの音の高さ、低さに仰天しながら数回の打ち合わせの後必死で練習し、日本フィルで1993年に初演させていただきました。

トロンボーンのコンチェルトは、アマチュアの吹奏楽団体のコンサートを意図して楽しい曲が多く、また逆にアカデミックすぎて聴衆には良さが伝わりにくい曲も多いです。「オリオン・マシーン」の良さは、エンタテイメント的要素が充分にありつつも、作品が重厚でポップでありすぎない点だと私は感じます。

この曲は通常と異なるオーケストラの配置になっています。これは「オリオン・マシーン」の名称にありますように作品の構造に関係しています。オリオン座のかたちに即して、ソロ以外にヴァイブラフォンとマリンバを演奏する鍵盤打楽器奏者とピアノ奏者、そしてハープ奏者が普段の位置ではなく指揮者の前方に位置し、準ソロイスト的存在になります。演奏会では「見る」という要素も大きいので、私だけでなくこの方達にも注目です。
またカデンツ部では、全くのインプロヴィゼーション(つまりアドリブ)でありまして、吉松さんからは「好きにやっていいよ」とのことで、今回も当日に勝手にやらせていただくことになります。どうなるかは、私自身もわからないという部分になります(結構長いです)。可能な限り私も動きながら演奏いたします。

ソリスト箱山芳樹

千葉交響楽団は、山下監督のもと、団員の皆さんの人柄が優しくまたプロ意識も技術力も高く、そして団結力の強いオーケストラだと思います。山下監督と団員のコミュニケーションは大変いい感じで行われており、練習も本番も高いレベルを維持していると私は感じています。
演奏活動の多くが各学校に伺って行われる音楽鑑賞教室である千葉響は、コロナの影響をモロに受けて演奏の場が無くなってしまい、一昨年から暫く活動が全くできなくなってしまったことなど、大変に苦しい状況は未だに続いておりますが、コントラバス購入のためのクラウドファンディングが大成功したことなど、皆様からの支援が格段大きなオケでもあると思います。

今後とも千葉交響楽団を宜しくお願い申し上げます。

ページの先頭へ戻る